岐阜市の小さな縫製工場が誕生したのは昭和47年(1972年)
現会長の松井が興した「松井カッティングセンター」が始まりでした。
日本は成長期にあり、洋服も作れば売れる時代。大量生産、大量消費の世の中でした。生産量の増加に伴い、昭和59年(1984年)には株式会社マインド松井へと改組。
国内工場を増やし、中国にも工場進出を果たした松井は休みもなくお客様や工場を飛び回る生活でした。
その後の、バブルの崩壊(1991年)リーマン・ショック(2008年)を潜り抜け、縫製業を維持してきたマインド松井ですがあることがきっかけで転機を迎えます
それは、社長(現会長)が目の手術の為に入院した病院で出会った ひとりの患者さんでした。
その人は 目の病気で手術をするのですが、何度も再発してしまうとのことでした。
その病気の原因は目にあるのではなく、実はひどいアトピーで、それが原因で再発してしまうのでした。
その時にアトピーの人が、化繊の服は着られない、自然素材でも化学処理がしてあると敏感に反応してしまうという事を知ったのです。
「私が今まで半世紀も関わってきた「服」でなにか喜んでもらえることができるかもしれない!」
松井はそう思い、オーガニックコットンで肌に触れる衣類を作ることを決意したのでした。
早速「オーガニックコットン」の「布」を仕入れて「服」を作り、イベント出店をはじめました。
そこへ一人のお客様から質問されたのです
「このオーガニックコットンはどこで作られたコットンですか?」
生地の仕入れ先に聞いても 答えは「わかりません」でした
本物の「原料」を求めてオーガニックコットンについて調べてみると、世界のコットン生産の背景には、驚くような厳しい現実があったのです。
食べるものと同じように産地の見える衣類。誰がどんなふうにして作ったか見てもらえる衣類。
それは原料から・・・
無農薬の土地に、交配していない在来種を蒔いて、栽培から始めることでした。
「食べるものと同じように着るものにも安全で安心なものを使いたい」誰もがそう思うのに、実際は消費者の方が「安心で安全な製品である」と確信できるものを購入するのは極めて困難です。
「オーガニックコットン」表示のあるもので、原料の産地まで明記されたものがあるでしょうか?
マインド松井は、その「原料の産地を表記できるオーガニックコットン」栽培にチャレンジを始めました。
しかし、上記の表にあるように「和綿」は生産効率が悪く、スタート時には思うようには収穫ができませんでした。
その和綿栽培も3年・・5年・・と続けるうちに次第と収穫量も増え、それで糸を紡いで布にしてみると驚くほどの柔らかさと肌触りの良さです。
和綿の布を触って笑顔にならなかった人はいないというほど素晴らしい肌触りに
「こんな気持ちい良い素材のタオルやハンカチを贈ったら喜ばれるに違いない!」とハンカチを作りました。
・・・が・・・
ハンカチを贈った相手からの反応は・・・「水分を吸わない」というものでした。
タオル=吸水するもの
という発想しかなかった松井は、やはり和綿で服を作ろうかと試みてみましたが、そこには「価格」という課題がありました。
種まきから、草とり、摘芯、収穫、綿くり、ごみ取り・・・
すべてを人の手で行っている為、どうしても高価になってしまうのです。
ここでは紹介しきれない程の、試作サンプルを とにかく たくさん作りました・・・
ある時、毎朝水洗い洗顔をしている社長が、たくさん作りすぎたハンカチを(素手で水をすくうよりマシかもしれない。そのまま顔も拭けるし)と思い、試しに使ってみました。
すると、ふわふわの生地の感触が水に濡らしても実に気持ちが良い。
和綿の繊維の間に含んだ空気がクッションの役割をするのか、素手で洗うのとは比較にならないほどの気持ち良さなのでした。
洗顔後、通常はフェイスタオルで水分を拭き取るのですが、和綿のハンカチを一旦水にひたしたものを絞って顔を拭き取ると、想像もしなかった!体験したことのない!爽快な洗い上がりだったのです。
乾いた状態で水分を拭き取ろうとした時の、はっ水感や細かい繊維の毛羽など、ちょっと困った現象が、水に浸して使うことによって全てが解消!そして毎日使っていると、洗顔後の化粧水をつけるという工程をうっかり忘れているという日が何回もありました。
そうなんです!
和綿の油脂が肌の表面について、肌から水分が逃げるのをふさいでくれるのです。
油脂といっても植物のごく少ないものですから、べたつきは一切なく、さっぱりとした油脂なのです。
和綿オーガニックコットンを何とかして 喜んでもらう使い方はないだろうか・・・
試行錯誤しながら娘(現社長 井上美穂)と共に試作をいくつも作り、イベントや展示会で紹介し、そこで得たご意見やご要望によって改良を加えていくものの 増えていくのは試作サンプルばかりでした。
「ハンカチを濡らして使う」一見不思議な使い方ですが、一度試していただきたいと思います。
敏感肌で石けんを使いたくない方。
冬場は乾燥してしまって困っている方。
そして、赤ちゃん・・・デリケートな肌の赤ちゃんの沐浴にも使っていただきたいです。
農薬も化学薬品も一切使わず、明治時代の手法そのままの製造工程
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